驚いた。まさかJBが亡くなるなんて...。年齢も年齢だからって言ったって、JBの事だぜ。そんじょそこらの普通の人じゃないんだ。(少なくともワタシにとって...)今週末にもライヴが予定されてたって言うじゃないか。信じられない様な力が抜けた感じだ。しかも亡くなったのがクリスマスの日。映画「Blues Brothers」で、JBが神父に扮した教会でのシーンを連想した方もきっと多い事だろう。JBらしいって言ったら、そんな気もするが...。
JBについて書こうと思ったが、何せこの長年に渡るキャリアだからね。ちょうどJazzに於けるMiles Davisに匹敵する位、彼のキャリアがBlack Musicの歴史そのものみたいな人。その膨大な功績なんて簡単に語れるもんじゃない。音楽的な事、社会的な事、人間的な事、これほど生きながらにして伝説みたいなミュージシャンはいなかった。そんな彼もいなくなっちゃったなんて俄には信じられん。
JBの来日公演、過去3度ほど観に行った。やっぱ最初に観た時の印象が強いかな。(80'だったかな?記憶が曖昧...)当時は考えてみればそこそこの高齢。それこそ全盛期のステージには及ばなかったにせよ、JB初体験のワタシにはそれでも充分エキサイティングなステージだった。ステージングに年齢は全然感じさせない。JBの一挙手一頭足に神経を張りつめながら演奏するバンド。その緊張感と一体感が生み出す、凄まじいエネルギーの放出。真っ黒い塊みたいなグルーヴ。かと思えば突然ゴスペル仕込みのバラードが流れ、会場のミラーボールと共に夢心地へ。そしてまたグルーヴの嵐。最後は恒例のマントショー。一貫して現場感覚叩き上げの本物のエンターテイメント。
アルバムも沢山聴いた。どれか一枚ってぇのはホントに難しい。でも思い当たるのは、ライヴ盤なんだな。これが。って事は、JBってのは、スタジオでいろいろ模索するタイプじゃなくて、徹底的な現場主義。ライヴでバンドを鍛え、そして新しい音楽を創造していった人だったと思う。勿論、スタジオ録音も素晴らしいが...。
かつては一年のうち350日ライヴをこなしてたと言われる「ショービジネス界一の働き者」だったJB。こうなった事を一番驚いてるのが本人なのかもしれないな。お疲れさま。ゆっくり休んで下さい。...R.I.P JB.