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永遠になれ──「幸福写真」

先日本屋へ寄ってパラパラと立ち読みしてたら一冊の写真集が目に止まり思わず衝動買い。「幸福写真」そう、アラーキーこと荒木経惟氏の写真&エッセイ集。

永遠になれ──「幸福写真」_b0075025_545014.jpg「ほんとうは、何が幸福で、何が不幸かなんてわからない。
でも、ふとした笑顔がその場を和ませるように、
ふとした仕種にいとおしさを感じるように、
写真が誰かを和ませたり、勇気づけたりできたらいい。
撮ったときの関係性とか、この時代とか、幸福な一瞬とか。
永遠になれ、そう思ってシャッターを切る。
照れずにマジメに、幸福写真。
これまで照れくさくってできなかったけど、
そろそろ始めなくっちゃネ。」 ──まえがきより

いやぁ、やられちゃいましたね。いろんな意味で。まんまと作者の意図通り、幸福な気分にさせてもらいました。言葉じゃないんだな。こんな瞬間が自分の周りにもいっぱいあると思ってごらん。気が付かないだけで見落としてる瞬間。過去と未来を繋ぐこの瞬間...。いろいろ評論めいた能書きを書こうと思ったけど、この写真集を前にするとそんな気分にならなくなった。

もうずいぶん昔の話だが、過去に日本を代表する写真家二人、このアラーキーこと荒木経惟氏と篠山紀信氏の撮影現場に出くわした事がある。荒木氏は渋谷の円山町ラブホテル街で、篠山氏は乃木坂で。二人共撮影中は何とも表現できないオーラ&エネルギーの様な物を発していて「凄ぇー!」と意味も無く感心した私だったが、今思えば二人のエネルギーの「質」は全く違ってたな。篠山氏は何かこう被写体を凝視して研ぎ澄ましていく...と言ったらいいのか。側で見ていても回りの空気が変わる程の緊張感を強烈に感じた。片や、荒木氏にはもっと飄々とした大きく包み込むような包容力、それに彼が強力な磁場になって現場を巻き込んで行く独特の空気があったのを記憶してる。彼の作品から受ける「闇」とか「毒」の感覚は現場では感じられなかった。言葉で表現するのは難しいが、あの時現場で感じた「あの感じ」がこの写真集を読んでぱぁ〜っと甦って来た。

さしずめ、サッカー観戦してる私の後ろ姿なんぞパチリとやれば幸福写真?(*^-^)
「永遠になれ」そう思って楽器を弾いてみよう。
by hiro_c5884 | 2006-07-03 05:59 | Comments(1)
Commented by ojiyan at 2006-09-18 18:04 x
それぞれの幸福
それが写真になるっていいですよね。
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